東南アジア経由で北欧に海外移住したらスペイン語にハマりました。

東南アジア4年・北欧に6年住む純正日本人の理系研究者が書く海外移住・語学(主にスペイン語)・海外での仕事についてのこと

英語になくてスペイン語にある、代表的な文法3点

これまで散々スペイン語は英語と似ている部分があるのでとっつきやすいとか、似ている・似ていない論を振りかざしてきましたが、今回は英語にはないけどスペイン語にある点について文法の観点から3つあげてみたいと思います。

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それは

です。

実際これら以外にもあるとは思いますが、まず英語の知識があるスペイン語初学習者が「え?聞いてませんけど?」と思わず嘆いてしまう点について見ていきましょう。

今回は文法のことなので、学校の勉強っぽくなってしまってますが参考にしていただけたら幸いです。 

be動詞が2種類

はい、聞いてませんよね。

動詞の中でもまず最初に覚える英語のbe動詞、当然スペイン語にもそれに相当するものがあります。

でもそれが2種類あるんです、serestar

どっちも使っていいとかそんな気前のいい話ではなく、ちゃんと場合によってどちらを使うか明確に分かれています

簡単にいうと主語の性質を表すなど永続的な場合はser、それに対し主語の一時的な状態を表すときにはestarを使います。

例文をちょっと。

Yo soy Japones(私は日本人です)=>これは日本人という性質は基本的に変わらないのでserを使います。

思いっきり大和民族顔なのに「俺、日本合わないんだよねぇ」とか、海外にかぶれてしまったような複雑なことはここでは議論しません。

ではもうひとつ

Yo estoy cansado(私は疲れてます)=> 疲ているというのは一時的な状態なのでestarを使います。

慢性的に疲れてる方は一度ゆっくり休んでみて下さい。

ちなみにsoyとestoyは1人称単数の場合のserとestarです(動詞の活用については後ほど)。

過去形が2種類

察しの良い方なら過去形と現在完了のことなんじゃ?と思うかもしれませんが、残念ながらそうではないんです。

現在完了は別の形であります(それはまた別記事で)。

文法用語で言うと点過去線過去の2種類がスペイン語には存在します。

何かの推理小説の題名にありそうですが、このスペイン語の点と線は結ばれることはありません。

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まずわかりやすいのは点過去だと思います。

どういった時に使うかというと、過去における動作が完全に終了している場合に点過去を使います。

"昨日何々した"とか、"3年前どこどこに行った"とか、いわゆる過去と聞いて瞬時に頭に浮かべる感じだと思います。

それに対し、線過去というのは過去において完了していない継続的な動作・状態を述べる時に使います。

過去なのに動作が完了していないとか決して過去に未練があるとかそういうことではありません。

例えば"昨日、1日中雨が降っていた"のように、昨日という時間軸の中で雨はずっと降っていたわけなので完了している点がはっきりしてませんよね?

こういう場合に線過去を使うことになっています。

他には過去における習慣とか繰り返し行っていたことの述べる時にも線過去を使います。

これは英語でいうところの「used to=よく〜した」に当てはめるとわかりやすいかもしれません。 

あ、でも「昔俺はあいつのことが好きだった」という未練を含んでそうな表現も線過去ですね。 

動詞の活用が複雑

おそらくこれが最も「英語とスペイン語の違いは?」と聞かれて答える違いかもしれません。

英語で動詞の活用と言えば、現在形・過去形・現在/過去分詞と3人称単数現在形のsくらいなものだと思いますが、スペイン語は違います。

1つの動詞についてそれぞれの時制で6種類の活用をします。

6種類というのは、1・2・3人称単数・複数(私、私たち、君、君たちなど)のことです。

時制というのは、現在・過去・未来です。

現在は1つだけでいいのですが、スペイン語の過去には先にも書きましたが2種類あって、それぞれ形が全く違います

それと未来形にも通常の未来形と過去未来形という何だか自己矛盾してそうな、結局現在のこと?的な活用の形があります。

これだけで30種類の活用があることになります。

しかもこれは直説法の場合の活用で、スペイン語にはもう1つ、接続法という法があり、それによっても動詞の活用が異なってきます(接続法については今後詳しく)。

簡単にいうと直説法は事実を述べる場合に使われ、接続法が事実に反したり願望などを述べるときに使う法のことです。

この接続法では現在・過去・未来形の活用があります。

なので、合計約50種類の動詞の活用があるというわけなんですね。

しかし不思議なもので意外とそこまで苦ではないと思います。

もちろん慣れるまでは大変ですが、どの時制でもある程度規則性があるのでそれさえ覚えてしまえば何とかなります。

スペイン語圏の人たちも「何で全部上一段活用じゃないのよ?」と感じながら日本語を勉強していると思うので、そこはお互い様ということで受け入れましょう。

 

まとめ 

いかがでしたでしょうか?

今回は英語とスペイン語の違い「Be動詞が2種類・過去形が2種類・動詞の活用が複雑」について文法的な観点からまとめてみました。

当然この他にもスペイン語独特の文法はありますが、まずはこの3点が僕にとっては新世界でした。

今後は文法的なこともいろいろまとめていきたいと思います。