東南アジア経由で北欧に海外移住したらスペイン語にハマりました。

東南アジア4年・北欧に6年住む純正日本人の理系研究者が書く海外移住・語学(主にスペイン語)・海外での仕事についてのこと

スペインへの移住を躊躇してしまう理由3つ

久しぶりの投稿になりますが、今回はスペインの移住を踏みとどまってしまいそうな理由について書いてみたいと思います。

 

僕個人としては気候が良くてご飯の美味しいスペインにいつでも移住したい気持ちが日々増してはいるのですが、それだけではなかなかうまく行かないのが移住。

 

2ヶ月しか住んだことのないので必ずしも正しくはない認識かもしれませんが、僕が感じたことについて紹介したいと思います。

 

移住を踏み止まってしまいそうな理由とは

の3つです。

 

高い失業率

最近は改善傾向にあるようですが、コロナの影響もあり欧州の中でもスペインは失業率が比較的高いようです。

中でも若者の失業率が40%(2020年10月時点)と、ほぼ半数の若者が職に困っているという状況です。

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やはり国や雇用主としては自国民を優先的に雇いたくなるが人の常です。

なのでスペイン国内で働こうと日本から移住しても外国人が職を見つけるのはかなり至難の業なのではないかと推察できます。

ちなみに僕もスペインの大学で働けたらいいなと思い調べてみると、助教以上の職はEUの市民権がないと職に就けないようなので、現時点では諦めています。

 

スペイン語必須

2ヶ月住んでみただけなので、確実ではないかもしれませんが他の西欧諸国に比べるとスペインでは英語だけで生活できるほど英語は浸透していない印象です。

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特に年齢の高い層になると、そもそも英語を話すことをしない印象があります。

僕が今住んでいるノルウェーでは最初からもしくはノルウェー語が通じないと思われるとすぐに英語に切り替えてくれますが、スペインでは絶えずスペイン語で話しかけられることの方が多かったと思います。

 

もう少し長い期間住んでいればより正確な情報が得られると思いますが、英語だけではなくスペイン語をしっかり習得してから移住を考えた方が良さそうです

 

日本とちょっと異なる衛生観念

決してスペインの街や人が汚いというわけではありませんが、2ヶ月間マドリード近郊の街に住んでみて、歩道にやたら飼い犬の置き土産が落ちている印象がありました。

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だからこそ通りを清掃する雇用が生まれていると言ってしまえばそれまでですが、幾度となくその地雷を踏みかけたこともありますし、そう言った衛生観念の違いが気になってしまう方もいるのではないでしょうか。

 

まとめ

いかがでしょうか?

繰り返しますが2ヶ月しか住んでいないので情報に偏りや誤りがあると思うので参考程度に考えておいてもらうといいかと思います。

それでもスペインは本当にいい国だと思うので、いつかは移住したいですね。

 

 

 

ノルウェーへの移住を躊躇してしまう理由3選

海外移住するためには手放しでその国の良いところだけ見ていては移住後に後悔してしまう可能性もあります。

前回はシンガポールの移住前に考えておいていただきたいことについて書きましたが、今回はノルウェーについてです。

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この3点は何をおいても頭の隅に入れておいて損はないと思います。

それは

です。

 

では一つずつ紐解いていきましょう。

 

冬が暗い

北欧というと白夜の印象が強いと思いますが、表があれば裏もあります。

冬は底抜けに暗くなります。地底世界に落とされた感覚です。

ノルウェーの国土の半分は北極圏に属していて、北部のトロムソなどは冬の間極夜になります。

北極圏内に行くと太陽は申し訳なさ程度に地平線から登るだけなので、明るくなることはありません。

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まだトロムソなどの北部の町ではオーロラが見られるので気晴らしになるかもしれません。

雨の多い南西部では暗い・雨が降る・風が強いの3重殺なので、体全体が太陽を欲してきます。

太陽を浴びないと必要な栄養素であるビタミンDが体内で生成されないので、健康にもよくないですし、何より気分が一気に落ちていきます。

対応策として魚の油を凝縮したオメガ3などのサプリメントを摂取するのがおすすめです。

最初の頃は暗く長い夜が大晦日の夜のような特別な感じを受けるので、興奮状態で過ごせるかもしれませんが、慣れてくるとただの長いだけの夜です。

現地での職探しは難易度高

僕の場合は大学の研究員という少し特殊な場合なので必ずしもですが、移民が普通に職探しをするとなるとその難易度は極めて高いと言えます。

移民が学ぶノルウェー語の教科書の題材にもなるくらいなので、ノルウェー人たちも感じているのでしょう。

なぜ高いかというと、まずほとんどの職場ではノルウェー語が必須である点です(ノルウェー人のほとんどは英語が達者です)。

いやノルウェー なんだから当たり前かもしれません。

これは次の項で詳しく書きますがノルウェー語は難しい言語だと言えます。

なので移民が一から学習してある程度できるようになるまで、かなりの時間を要すると思います。

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あとノルウェーはどちらかというと少し閉鎖的なところがあります。

履歴書を送っても名前がノルウェー人でないと判断されたら、お祈り返信メールすら届かず送った履歴書はデスクトップかメールボックスのゴミ箱行きです(その時は多分読んでないです)。

面接に進むことができれば10段階評価で9は上げていいと思います。

なので心が折れそうでも、働きたいならとにかく履歴書を色々なところに送り続けるしかないようです。

またはノルウェー人の友達・知人を多く作って紹介してもらうという方法もあるようです。

いずれにせよ、一筋縄では行かないのがノルウェーの職探しだということを念頭に入れておいて得はしませんが損もないと思います。 

ノルウェー語が難しい

何が難しいかというと、100%リスニングです。

冗談ではなく「ちょっと何言ってんのかわからない」状態です。

原因は日本語にはない母音の種類と多彩すぎる方言の種類だと個人的に考えています。 

千歩譲って母音が多いという壁は比較的簡単に越えられるかもしれません。

しかし方言の豊富さは遠慮抜きで学習者の心を折りにきます。

方言を豊富にする前にスーパーで売る魚の種類を豊富にして欲しいところですが、仕方ありません。

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例を一つだけあげてみましょう。

標準的なノルウェー語で1人称単数はJeg(ヤイ)と言いますが、ノルウェー南西部・ベルゲン周辺ではEg(エグ)と言います。

これはまだJを省略しただけなので、まぁわかりますがノルウェー中部・トロンハイム周辺ではÆ(エとアの中間のような音)となります。

こうなってくると別言語と言ってもいいかもしれません。

なので標準的なノルウェー語を覚えていても、方言で喋られると自分が学んできたノルウェー語は何だったのかと思春期にありがちな悩みに苛まれてしまう恐れがあります。

ただ文法自体は英語に似たところが多くありますので読み書きにはそこまで苦労することはないのがせめてもの救いでしょうか。

 

まとめ

いかがでしょうか。

ノルウェー社会福祉は確かに厚遇ですが、やはり移住となるとそれなりに障壁が出てきてしまいます。

特に冬の暗さは想像している以上にしんどいものがあり、この時ほど太陽の恵みに感謝することはないと思います。

ノルウェー以外の北欧諸国にもある程度似た部分はあるかもしれませんので、そういう場合の参考になればいいかと思います。

 

シンガポールへの移住を躊躇してしまう理由3選

前回の記事ではシンガポールを移住先としておすすめする理由について書きましたが、どの国にも良い点もあれば我々からしたら好ましくない点も当然ながらあります。

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今回はシンガポールをもし移住先に考えているとしたら、頭の隅にひっそり入れておいていただきたいことについて書きたいと思います。

個人の感想や感じたことも入っていますがそれは

です。

家賃が高すぎる

シンガポールはまだまだ発展する余地のある国で税金が安いということもあって海外からの投資家・富裕層の移住先としても人気です。

ですので、新しいコンドミニアムやマンションなどが雨後の筍のごとく新設されては新設されるのを繰り返しています。

投資用のそういった不動産を購入する富裕層もたくさんいるので必然的に家賃も高くなってしまいます

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日本企業の駐在員としてシンガポールに滞在する場合にはほとんどの場合、勤めている企業から家賃補助などが支給されると思うので問題はありません。

一方で現地採用・裸一貫で挑戦しようしている場合にはおそらく1ヶ月の給料ではコンドミニアムなどを1部屋借りてしまうと、草木が生えないほど手元に何も残らないかもしれません。

なので必然とコンドミニアムや公共住宅(HDB)を何人かでシェアする必要があります。

幸いこのような共同生活はシンガポールでは一般的なので、結婚式のプランほどこだわりすぎなければ簡単に見つかります(http://www.singaweb.net/bbs/frame.html)。

ただ共同生活も慣れないうちはなかなか難しい点もありますので、耐えなくてはいけない場面もあると思います。

 

社会保障が手薄

前項でも言ったようにシンガポールでは日本に比べると所得税が低くなっています。

www.guidemesingapore.com

このリンク先の情報によると最大でも22%しか課税の対象になりません。

これが富裕層や投資家がシンガポールにこぞって移住する理由ですね。

もちろん庶民にもその恩恵はあるのですが、政府の税収が低い分社会保障はほとんどなく、全て自己責任と考えておいた方が良いです。

日本のような国民皆保険を夢見ようものなら一瞬で叩き起こされます。

なので自分で保険会社の保険を購入する必要があります。

場合によっては企業が購入していて、社員の保険に充てているところもあると思うので現地採用で就職を考えている場合にはその点はしっかりと確認しておきましょう(僕の場合は勤務先の大学が被雇用者ために購入している保険に加入していました)。

 

日本人が多い

いやいやいやいや、これは良いことなんじゃないの?と思われた方もいらっしゃるかと思います。

確かに日本人がいれば色々と情報も手に入るし、何かと助かることも多いです。

特に初めて異国に移住した時に日本人が多いと、やはり自分の中で甘えが生じてしまい日本人とばかりつるんでしまうことになりかねません。

それではあまり海外移住した意味がないように思えます。

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同じような現地採用同士ならまだ良いかもしれませんが、シンガポールには日本人駐在員も多く住んでいます。

もし自分だけが現地採用で他の日本人が全員駐在員の場合、自分の生活と彼らの生活の差に愕然としてしまうこともあります。

もちろん環境や通ってきた道・考え方が違うので比べること自体が全くもって無意味なのですが、なかなか人はわかっていても聖人君子になることができないので心のどこかで比べてしまうこともあるかと思います。

また、中にはちょっと日本の生活が合わなくて海外移住を考えている人もいるかもしれません。

そういう方にはシンガポール外国にしては日本人の密度が高いということだけでも覚えておいてもらうと選択の際の手助けになるかと思います。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

断っておきますがシンガポールは本当に住みやすい国です。

ただ手放しに褒め称えられるわけではないので特に家賃のことや社会保障・何のために日本を出るのかを考えた場合、これらのことを考えておいていただくと移住してから「話が違うやないか」ということにはならないと思います。