ノルウェーへの移住を躊躇してしまう理由3選
海外移住するためには手放しでその国の良いところだけ見ていては移住後に後悔してしまう可能性もあります。
前回はシンガポールの移住前に考えておいていただきたいことについて書きましたが、今回はノルウェーについてです。
この3点は何をおいても頭の隅に入れておいて損はないと思います。
それは
です。
では一つずつ紐解いていきましょう。
冬が暗い
北欧というと白夜の印象が強いと思いますが、表があれば裏もあります。
冬は底抜けに暗くなります。地底世界に落とされた感覚です。
ノルウェーの国土の半分は北極圏に属していて、北部のトロムソなどは冬の間極夜になります。
北極圏内に行くと太陽は申し訳なさ程度に地平線から登るだけなので、明るくなることはありません。
まだトロムソなどの北部の町ではオーロラが見られるので気晴らしになるかもしれません。
雨の多い南西部では暗い・雨が降る・風が強いの3重殺なので、体全体が太陽を欲してきます。
太陽を浴びないと必要な栄養素であるビタミンDが体内で生成されないので、健康にもよくないですし、何より気分が一気に落ちていきます。
対応策として魚の油を凝縮したオメガ3などのサプリメントを摂取するのがおすすめです。
最初の頃は暗く長い夜が大晦日の夜のような特別な感じを受けるので、興奮状態で過ごせるかもしれませんが、慣れてくるとただの長いだけの夜です。
現地での職探しは難易度高
僕の場合は大学の研究員という少し特殊な場合なので必ずしもですが、移民が普通に職探しをするとなるとその難易度は極めて高いと言えます。
移民が学ぶノルウェー語の教科書の題材にもなるくらいなので、ノルウェー人たちも感じているのでしょう。
なぜ高いかというと、まずほとんどの職場ではノルウェー語が必須である点です(ノルウェー人のほとんどは英語が達者です)。
いやノルウェー なんだから当たり前かもしれません。
これは次の項で詳しく書きますがノルウェー語は難しい言語だと言えます。
なので移民が一から学習してある程度できるようになるまで、かなりの時間を要すると思います。
あとノルウェーはどちらかというと少し閉鎖的なところがあります。
履歴書を送っても名前がノルウェー人でないと判断されたら、お祈り返信メールすら届かず送った履歴書はデスクトップかメールボックスのゴミ箱行きです(その時は多分読んでないです)。
面接に進むことができれば10段階評価で9は上げていいと思います。
なので心が折れそうでも、働きたいならとにかく履歴書を色々なところに送り続けるしかないようです。
またはノルウェー人の友達・知人を多く作って紹介してもらうという方法もあるようです。
いずれにせよ、一筋縄では行かないのがノルウェーの職探しだということを念頭に入れておいて得はしませんが損もないと思います。
ノルウェー語が難しい
何が難しいかというと、100%リスニングです。
冗談ではなく「ちょっと何言ってんのかわからない」状態です。
原因は日本語にはない母音の種類と多彩すぎる方言の種類だと個人的に考えています。
千歩譲って母音が多いという壁は比較的簡単に越えられるかもしれません。
しかし方言の豊富さは遠慮抜きで学習者の心を折りにきます。
方言を豊富にする前にスーパーで売る魚の種類を豊富にして欲しいところですが、仕方ありません。
例を一つだけあげてみましょう。
標準的なノルウェー語で1人称単数はJeg(ヤイ)と言いますが、ノルウェー南西部・ベルゲン周辺ではEg(エグ)と言います。
これはまだJを省略しただけなので、まぁわかりますがノルウェー中部・トロンハイム周辺ではÆ(エとアの中間のような音)となります。
こうなってくると別言語と言ってもいいかもしれません。
なので標準的なノルウェー語を覚えていても、方言で喋られると自分が学んできたノルウェー語は何だったのかと思春期にありがちな悩みに苛まれてしまう恐れがあります。
ただ文法自体は英語に似たところが多くありますので読み書きにはそこまで苦労することはないのがせめてもの救いでしょうか。
まとめ
いかがでしょうか。
ノルウェーの社会福祉は確かに厚遇ですが、やはり移住となるとそれなりに障壁が出てきてしまいます。
特に冬の暗さは想像している以上にしんどいものがあり、この時ほど太陽の恵みに感謝することはないと思います。
ノルウェー以外の北欧諸国にもある程度似た部分はあるかもしれませんので、そういう場合の参考になればいいかと思います。